医師の働き方改革を国民に理解が得られるか?
2024/03/01
時間外労働時間の上限規制が、労働基準法改定により2019年4月から施行され、医療従事者(医師以外)は適応されているが、医師は5年間猶予されていた。医師の働き方改革が2024年4月から施行される。つまり医師にも働く時間が規制(短縮)される。制度の詳しい説明は省くが、医療機関の勤務形態は多様であり、各診療科によっても大きく異なっている。また地域により医師偏在と診療科の偏りもある。
このような状況で、今回は地域医療に働き方改革が及ぼす懸念事項を整理してみたい。人員不足により①夜間と休日の宿日直体制の維持が困難②大学等よりの派遣医師の引き上げよる病院機能の縮小・撤退③救急医療の縮小・撤退④周産期医療の縮小・撤退⑤小児医療の縮小・撤退⑤専門的な医療提供体制の縮小・撤退⑥地域医療連携体制の縮小・不備⑦へき地医療の縮小・撤退⑧新興感染症発生時の医療供給体制に支障等ときりがない。医師の健康を守るためでもあるが、暮らしている地域により医療提供体制にばらつきがおこり生死を分け、時間外労働だから診療・手術が出来ない事態を、目の前にいる患者さん、国民に理解が得られるのだろうか?社会保障費の減額どころか、大幅な増額し対策を講じないと未来はない。コロナ禍で経験したように、医療資源こそが、もっとも重要な国の経済的基盤である。
(小野市・加東市T.S)