医師偏在の是正という名目で・・・

2024/05/13

 
 財務省は16日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、医師が都市部などに偏在している状況を是正するため、地域別の診療報酬を導入するよう主張した。医師が多い地域で診療報酬を減額するといった方法で、足りない地域への移行を促す。高齢化で増える薬剤費の抑制に向けた取り組みも進めるよう提言した。
医師偏在に関し、財務省は「現状のままでは、大都市部において医師や診療所数が過剰となり、地方は過少となる傾向が続く」と指摘。是正に向け、基本的に全国一律の診療報酬を、診療所の不足地域と過剰地域とで異なる水準にすることを提案。当面の措置として過剰地域の報酬を引き下げ、節約できた費用を不足地域での対策強化に充てる案を示した。
 分科会後に記者会見した増田寛也(ますだ・ひろや)会長代理(日本郵政社長)は「(報酬を)一律に決めるのとは別の考え方があるのではないか」と財務省案に理解を示した。
 財務省はこの他、診療科別、地域別の定員を設けているというドイツやフランスの例を参考に、医師の過剰地域で新規開業規制の導入を検討するよう主張した。
 薬剤の公的医療保険適用の可否などを、かかる費用に対して得られる治療効果に応じて決める仕組みを導入する案も提示した。効果が薄ければ保険適用外となる可能性がある。適用範囲を狭め、膨らむ医療費を抑える狙いだ。 (ここまで「m3」2024.4.17より引用)
 事情を正確に伝えるため長文の引用をお許しください。
 ただでさえ抑えられている診療報酬であるが、医師不足地域の引き上げならまだわかるが、過剰地域の引き下げは許されるものではない。医師偏在地域の解消という名目だが、それは建前で、本当の目的は医療費削減であることが見え見えである。財務省は予算削減の目的で、とりあえず手っ取り早いところに手を付けようとしていると思われる。このことが日本の皆保険制度による医療の崩壊につながるものと思われ、断じて許すことはできない。

(神戸市 mnon)