教育現場でのハラスメント
2019/11/01
ハラスメント(harassment)とは、社会生活でのいろいろな場面での「嫌がらせ、いじめ」をいい、内容により、〇〇ハラスメントと定義されている。
学校内でのいじめが問題となっているなかで、神戸市須磨区の小学校で教師間でのいじめが報道されている。30歳代の男性教諭3名と、40歳代の女性教諭が20歳代の男女の教諭に対し、考えられないような陰湿ないじめを繰り返していたというもので、現在、捜査中である。被害者教諭が担任するクラスに対し、学級崩壊が起きるように生徒たちをそそのかしていた、という。マスコミの報道が事実とすれば驚きである。生徒間のいじめ問題が増え、教員志望者が失望、減少した、ともいう。加害者のうち2名の先生は、生徒のいじめ対策を担当していた。加害者も被害者も休職中であり、復帰の目途はたっていない。このような卑劣なハラスメント行為を戒める教師はいなかったのであろうか。不思議であり、教育現場での異様さを感じる。
被害者の心の傷は計り知れず、長期的なメンタルケアが不可欠である。
この問題は、当該校の生徒や教師のみならず、当事者の家族、全国の学校現場、職場においても多大な影響があるものと思う。
この陰湿さはどこからきているものであろうか。加害教師のパーソナリティも関係しているのであろうが、心に余裕がなくなっている。相談できる仲間を欠いているのか、人間関係の希薄さも関係しているのであろう。働き方改革が問題になっているが、教師は余りに勤務時間が過剰であり、生徒のみならず父兄のクレーマー、モンスター化などで精神的負荷も大きい。教師のうつ病、適応障害など精神疾患での休職が増えている。よく眠り、趣味や仲間、家族との対話や遊びも大事である。教職という狭い世界のなかで、相談機関を増やしていく必要がある。学校保健分野においては、子供のみならず教師も含めて、医療、法曹界などとの一層の多職種連携が不可欠である。