消費税増税延期は診療報酬引き下げの口実ででしかない、は×

2016/07/31

7月10日の参議院議員選挙は与党の圧勝に終わりました。「道半ば」のアベノミクスの完遂を目指す与党は相変わらず企業がもうかれば設備投資や賃上げで他の企業や家庭にもお金が流れ、消費が改善するといういわゆるトリクルダウンの論法をとり、消費が改善するまで消費増税の財源を充てるはずだった社会保障の充実延期もがまんせよと言いたげです。与党内では大規模な公共事業等10兆円規模以上の財政投入をすべきとの声もあるそうで、国民生活を知る良識派もおられるとしたら一縷の望みももてるのでしょうか。
ところで社会保障費の中で医療費増高を避ける抑制するために診療報酬引き下げや医療へのアクセス制限が強行されたら、またぞろ小泉政権時代のように救急医療体制の崩壊(救急患者の受け入れ先がない)や産科医療の崩壊(分娩取扱い医療機関がない)等がもたらされ、介護負担の増加(施設入所や日中のサービス利用が困難)に加えてますます国民生活が圧迫されるでしょう。
与党が真に消費増税見送りの責任を果たすつもりがあるなら、口実ばかり並べるのではなく社会保障財源を別途確保する努力をもっと本気になってなすべきではないでしょうか。 

(尼崎市 S氏)