規制改革会議の国会審議への介入に与野党から批判噴出

2003/07/05

総合規制改革会議の委員構成について、同じ人材派遣業界から2人選任されているのは、「公平中立とはいえない」とした城島正光議員(民主)の衆院厚生労働委員会での発言に対して、当事者であるザ・アールが議事録からの削除などを求める通知書を中山成彬厚生労働委員長あてに送っていたことが3日、わかった。長勢甚遠衆院議員(自民)が同日、都内で講演したなかで明らかにし、「国会議員の質問権を侵害するものだ」と憤りを示した。一方、城島議員のもとには同会議議長である宮内義彦氏(オリックス会長)からの抗議文書が届いており、度重なる国会審議への介入に批判が集まっている。

発端は5月14日の衆院厚生労働委員会の派遣労働法改正案の審議だった。このなかで城島議員は、総合規制改革会議の委員構成について、
 (1)人材派遣業界からザ・アール社長とリクルート会長の2人が入っており、公正中立であるとは言い難い
 (2)オリックスがザ・アールの有力株主であり、リクルートはザ・アールの主要取引先である
-と指摘。「談合よりもひどい状況だ」と非難した。

ザ・アール側は、城島議員の発言が名誉毀損にあたるとして、事実関係の調査や議事録からの削除を求める通知書を中山厚生労働委員長あてに送った。城島議員によると、最終的にはザ・アール側が謝罪する形で決着したにもかかわらず、6月30日になって今度は、宮内議長から文書が送られてきたという。このなかで宮内議長は、「自己の勝手な憶測により、殊更に誇張、歪曲し、関係する各委員、ひいては総合規制改革会議全体の識見を侮辱し、国民の誤解を招くような発言は不当」などと抗議している。

宮内議長の強気の姿勢が、従来から総合規制改革会議、経済財政諮問会議を軸にした小泉首相のトップダウンの政策決定に異議を唱えている与野党議員の反感を買うことは必至。民主党は3日開いた国会対策委員会でこの問題を取り上げ、徹底追及していく方針を確認している。

JPNニュース(7月4日)より