今回の診療報酬改定は日医の勝利か

2018/02/19

政府は、総額97兆7128億円の2018年度予算案を閣議決定した。国の政策経費である一般歳出は17年度当初比5367億円増の58兆8958億円。このうち社会保障費は32兆9732億円で4997億円増。2年に1回の診療報酬改定で薬価を大幅に引き下げるなどし、18年度が最終年度となる財政健全化計画で定めた年5000億円増の枠内に収めた。ただ、診療報酬の本体部分は0.55%引き上げられ、日本医師会への配慮が見られた。日本医師会会長の横倉義武は「一定の評価」とコメントしたが、国家の厳しい財政状態を考えれば、わずかとはいえ増額は日医(日本医師会)の勝利とも言える。あるメディアによれば横倉会長は地元選出の国会議員古賀誠の後援会会長を長年に務め、安倍首相を筆頭に、麻生太郎副総理兼財務相とも親密な関係で財務省にとっても配慮を欠かせない存在だ。今回の診療報酬改定は安倍政権から横倉会長への贈り物の色彩が濃いのであって、日医そのものへの評価ではない。日本の医師数は31万9480人(十六年末)で、日医会員は17万199人(十七年末)である。組織率は53%で会員数は微増だ。今後、日医の組織率を高め、政治力を強化し、我々の次期のリーダーを育てないと診療報酬本体もマイナス改定になる懸念がある。

姫路市、M.M