医師の働き方を官僚が勝手に決めるな!

2022/08/01

2024年からスタートする医師の働き方改革、これが何とも納得のいかない事だらけである。先ず、医師の働き方を労働基準監督署に指図される事が気に食わない。厚生局が主導で決めるのならまだしも、病院現場医師の勤務実態を全く知らない労働基準監督署が、一般の企業と同じ基準を当てはめてくる為に、とんでもない混乱を招いている。例えば宿日直許可という制度、ザックリした説明をすると、この許可を得られた病院での宿日直は勤務時間にカウントされないのである。つまり、大学病院などで勤務されている先生方が当該病院で何回宿日直をされても、医師の働き方改革の超過勤務にはならないとの解釈です。言い換えると、地域の病院では宿日直許可が認められないと、大学病院などからの派遣が困難になってしまいます。宿日直許可の基準を説明すると、当該病院の常勤医師は時間外勤務として週に1回の当直と月に1回の日直までしか認められません。これには日勤勤務の日数は考慮されておらず、週4日でも5日でも6日でも関係なく、時間外勤務時間(宿日直時間)だけを判断基準としています。しかし、医師確保困難地域の病院では土日祝日の当直医を確保できない為に、数少ない常勤医師の日勤勤務日を減らし、宿日直を回しているのが現状です。そうなると、医師確保困難地域の病院は宿日直許可が認められません。つまり、大学病院などからも医師の派遣が困難になり、地方病院の医師不足に拍車がかかり閉鎖に追い込まれることは安易に予測されるでしょう。また、連続勤務時間の制限についても無理があります。過疎地域の病院では都心部より遠距離であるために(北海道では飛行機通勤)、1泊2日や2泊3日などで連続勤務をしていただいている病院も少なくありません。この勤務形態を連続勤務時間で制限してしまうと、過疎地区に派遣される医師もいなくなる事でしょう。
労働基準監督署が打ち出している医師の働き方改革案を実行すると、過疎地域の病院は運営できなくなり地域医療は崩壊する、また現在行われている24時間どこでも安心して医療が受けられる状況は一変し、夜間休日に搬送する病院は無くなるのではないでしょうか。
医師の健康を守る為に医師の働き方を改革すると綺麗ごとを言い、実は病院病床削減して医療費を削減する、結局は財務省主導の政治って事なのでしょうか?

三田市 H F