小選挙区改定と政治的弊害

2020/08/01

 1994年(平成6年)改正公選法で小選挙区が導入され兵庫県は12区に区分けされ、この時から川西市医師会の構成地域である川辺郡猪名川町と川西市は5区と6区に分れることになった。その後、公選法は第1回改正(2002年、平成14年)、第2回緊急改正(2011年、平成23年)を経て公選法部分改正(2016年)と区割り改定法(2017年6月16日公布)に至る。
 衆議院小選挙区選出議員の選挙区について衆議院小選挙区制度改革関連法では各選挙区の人口に関して次回見直しまでの5年間を通じて人口較差を2倍未満とすることなどが求められ、衆議院議員選挙区画定審議会において衆議院選挙制度改革関連法に基づき最大較差が平成27年国勢調査による日本国民の人口で1.956倍、平成32年見込人口で1.999倍となるよう、19都道府県97選挙区の改定案が取りまとめられ、平成29年4月19日内閣総理大臣に対して勧告され、第47回衆議院議員総選挙(平成29年10月22日投開票)で、兵庫県の選挙区は西宮市と川西市が市内で分断され、西宮市は第2区(塩瀬支所管内と山口支所管内)と第7区、川西市は第5区(旧東谷村)と第6区になった。これ以前でも兵庫6区は伊丹市、宝塚市、川西市で2002年改定後に兵庫6区558947/高知1区270743=2.064倍と計算されるほど全国的にみても1票が最も軽い地区である。
 2020年の人口でみると、6区で伊丹市19万8千人、宝塚市22万4千人に比べ、川西市は15万3千人でしかなく、この内の北部3万6千人を分割し第5区の豊岡、養父、丹波、朝来、丹波篠山、三田、川辺郡、美方郡に加えられている。
 川西市医師連盟は第5区と第6区を対象とし、地域の政策勉強会等では、衆議院議員は第5区谷公一議員、第6区大串まさき議員の2人が出席されている。公言こそされないが、議員側の考え方として大票田を重視することは当然であり、川西市や猪名川町は選挙区改正により軽視されているであろう。われわれは選挙において推薦候補者選定、政策協定の締結をするにしても第5区と第6区の2人に必要で各地域医療に対する要望を具体化するにも第5区は選挙区が広すぎて小選挙区たるニーズ要望の反映に難しく、第6区は伊丹市、宝塚市と協調した対応が必要となる。小選挙区改定は「1票の重さ」にのみ左右され、本来の小選挙区であるメリットを消し去り政治的弊害となっているとしか言えない。

(川西市 Y.O.)