新政権への期待

2021/11/01

 9月28日に政府の新型コロナウィルス感染症対策本部は新規陽性者数減少、病床利用率の低下が確認されたとして9月30日をもって緊急事態宣言を解除すると発表した。翌29日には自民党総裁選挙が行われ4人の立候補者の中から岸田文雄氏が当選。かねてより新型コロナウィル対策に関する公約として「国民の協力を得る納得感のある説明」「常に最悪の事態を想定しての危機管理」「先手の対応」を掲げて選挙戦を戦い勝利した。岸田政権の前の菅政権では第一番目が特に欠けていたと言われており、岸田政権にはこの点を是非とも実行してほしい。
 総裁選挙で一番の対抗馬と目された河野太郎氏は総裁選の前日に党内で「ワクチン行政で実績のある自分を選んでほしい」と訴える様子が報道されたが、7~8月のワクチン供給における失策を知る国民・医療担当者はあきれてものが言えなかったのではないだろうか。医系議員から担当大臣に就任したのでもないのであれば、専門家の意見に謙虚に耳を傾け有能な官僚を使いこなして施策を展開する能力が求められよう。岸田氏とて決して医療・保健・福祉に精通した専門家とは思えないゆえ、是非とも真摯な姿勢で臨み、だれもが納得のゆく説明をしてくれることを期待したい。

K・S