「かかりつけ医機能報告制度」を知っておられますか?

2025/05/01

かかりつけ医機能が発揮される制度の整備に向け、医療法の一部が改正され4月から施行されました。その中に「かかりつけ医機能報告制度」があります。今までの医療機能情報提供制度を刷新し、自院の医療機能を国民・患者により分かりやすく提供する制度とされています。我々が実際にかかりつけ医機能を報告するのは来年の1月から3月となります。報告内容によって1号機能(17の診療領域と一次診療を行うことができる疾患の報告)と2号機能(診療時間外の診療体制や在宅医療の提供、介護サービスとの連携など、より詳細な医療機能情報の報告)に分けられており、2号機能は1号機能を報告した上で報告することになります。かかりつけ医は患者自身が選ぶものですが、自己研鑽も大切だということで、この報告制度にかかる研修が新設されるそうです。

周囲に多数の医療機関があるような地域では、この報告内容によってかえって情報が交錯し、医療機関の選択が難しくなるのではないかと懸念します。周囲に医療機関が少ない地域では、2号機能にあるような医療体制の構築が困難だとも思います。今後、地域によっては適正なオンライン診療の実践が重要になるかもしれません。

この報告制度が将来かかりつけ医の制度化に繋がり、フリーアクセスを阻害させる管理医療に利用されないか、注視していく必要があります。そうならないよう、日医には期待しています。

(西宮市 K.M)