2026年度診療報酬改定は2月13日に答申された。重点課題である物価高騰対応として、診療所の再診料は76点(現行75点)へ引き上げられ、「物価対応料」(初診・再診とも2点)が新設されたが、初診料(291点)は据え置かれた。一方、急性期病院や特定機能病院の入院料は約18%増と高く評価されている。今回の改定は、急性期病院を優遇し、地域医療を担う診療所を軽視した内容と言わざるを得ない。この水準では、物価高騰に直面する診療所経営を支えるには不十分である。
賃上げ対応として外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)は、初診時17点、再診時等4点へ引き上げられ、改定前から算定している医療機関では初診時23点、再診時等6点とされる。さらに2027年6月以降は、初診時34点、再診時等8点、改定前から算定している医療機関では初診時40点、再診時等10点へと大幅に拡充される。
確かに従業員の賃上げ原資として一定の効果は期待できるが、事業主にとっては事務負担と制度対応のみが増え、経営改善には直結しない仕組みである。加えて、診療所間で初診時に最大400円(自己負担約130円)の差が生じることは重大な問題である。保険診療における「自己負担は平等である」という原則を制度自らが破壊していると言ってよい。
複雑な加算制度を積み重ねるのではなく、ベースアップ評価料は廃止し、初診料・再診料の基本点数に組み込むべきである。
姫路市M.M





