医師となり開業医として日々を暮らし、様々な組織に関わる常日頃、医局時代に聞いたこんな言葉が頭をよぎる。「若くて強いチームを作ろう。」50年前の米アポロ11号の月着陸ミッションには40万人以上が関わった深い知識と高度な技術が求められるプロジェクトだったが、スタッフの平均年齢はわずか27歳だった。先日、久々に良い記事を目にした。某大学の学長が発信していた。
 「そもそも人材を『育成する』という考えが間違いです。人にはそれぞれ特徴があり、個性があります。それは研修や教育で身に付くものではありません。部下と向き合って面談し、個人の希望や個性、適性を見極めた上で適切な仕事を割り振っていく。それがマネジャーの役割です。野球の監督と同じように、うまく打順や守備位置を決めなければ結果につながらないのです。いくら研修しても全員が150㎞/hの速球を投げられるわけではありません。
 日本経済がここ30年間で大きく落ち込んだというエビデンス(証拠)を基に考えましょう。頑張れば何でもできるという根性論は今の時代にはもはや通用しませんし、プレーヤーとしての成績が良かったからといってマネジメントがうまくできるとは限りません。新卒一括採用や終身雇用、年功序列、定年といったメンバーシップ型雇用の制度を根本から見直す必要があります。この30年間の、日本企業における正社員の労働時間は年間約2000時間で、GDP成長率は約1%。一方、ドイツやフランスの労働時間は年間約1500時間であるにもかかわらず、2.5%の成長を遂げています。日本にはサイエンスに基づくマネジメントがありません。根拠なき精神論で企業運営してきた結果、大きく差をつけられたのです。」

 我々、医師の団体も同様で開業医、勤務医、新米、ベテランに関わらず、新政権のリーダーにケチを付けている暇があるならば自らの組織を常に見直し、次世代のリーダーが発信している声を真摯に聞く耳を持たなければ、いつまでたっても「欲張り村の村長さん」「老害」と一般社会から言い続けられる。皆さんの周りはどうだろう?新しい1年が始まる。

(尼崎市 ねこ)