1994年に制定された地域保健法により保健所数は削減され、保健所機能も縮小かつ保健センターへと再編された。そのため、新型コロナ感染症対応では業務切迫、機能不全となり新型コロナ禍による医療逼迫に拍車がかかったのである。次の新興感染症に同じ轍を踏まないためには、有事に適切な診断支援とガイダンスやリソースを提供する能力が必要で、そのためには平時より感染症対応を踏まえた効果的な業務運営体制の構築(組織人員体制の確保や保健所業務のデジタル化)、専門人材の確保・育成(医師、保健師、事務等の研修や訓練)、地域社会との適切かつ迅速な連携・協力体制の構築(意見交換、協議機会の充実、情報マネジメントの強化)を行うべきである。

(西宮市 Y.K)